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ヒガシの日記

公認会計士コンサルタントの思考の備忘録

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コンサルタントが超えられない一線

昔の話だが、ある会社で営業部門と経理部門が協力して課題を解決するプロジェクトに経理サイドのアドバイザーとして参画していた。営業部門からやりたいと言ったにもかかわらず、どれくらいの期間で、どういう役割分担で進めるのかといったことがいつまで経っても出てこない。プロジェクトに必要なものは出してこないのに、早く進めようという掛け声だけは聞こえてくる。

 

狐につままれたような気持ちで、ゴールや進め方を1つずつ確認していき、合意点を探っていたところ、経理部長に呼び出された。

ヒガシさん、申し訳ないけれども今回の件に関しては我々内部の人間だけでやらせて欲しい。筋が通った進め方ではらちが明かない。

今まで、こちらの提案に同意していた部長が言う。

ただならぬものを感じ、我々を外していただくのは一向に構わないが、せめて理由を教えて欲しいとお願いした。

 

「実は営業部門は、経理にメリットがあるといいつつ、経理に仕事を押し付けようとしている。しかも、この話は上同士で合意しているので、もう進め方でどうこうする話ではない。やるしかないんです。」

 

営業部門は素直にやって欲しいと言えば、経理に貸しを作ることになるし、システム改修の費用負担を求められるかもしれないことを見越して、のらりくらりとしていたのだ。会社全体で見れば、絶対に正当な方法で役割分担、責任範囲を決めてやるべき内容だった。それでも、部門の利益と、自分の保身を考えた営業部門はそれを良しとしなかった。

 

それでも関与すべきだったか?

 

それはわからない。

 

ただ、コンサルティングはクライアントが望み、論理的思考が必要な時にだけ仕事があるものだという一線を越えることはできないことを考えれば、社内政治の舞台に立つのはコンサルティングではないとは今でも思う。