ヒガシの日記

公認会計士コンサルタントの思考の備忘録

MENU

東芝-監査意見なしの決算発表は異例中の異例

東芝が監査意見なしの決算発表を行いました。監査意見は決算の内容について、会計士がお墨付きを与えるものですが、お墨付きのないまま決算発表をしました。今回はこれを解説していきます。

 

監査意見がどう影響するのか?

まず監査法人(公認会計士を中心に構成される法人)による会計監査が求められる会社です。一般的には2つの法律から会計監査が求められます。1つは会社法、もう1つは金融商品取引法です。会社法は、会社規模で、金融商品取引法は株式や社債等の条件で合致する会社が対象です。

 

東芝については、会社規模、株式上場と両方の要件を満たしているので、両方の法律から会計監査を委託することが必要になります。

 

監査意見には全部で4つの報告種類があります。

  1. 意見表明-適正意見
  2. 意見表明-限定付適正意見
  3. 意見表明-不適正意見
  4. 意見不表明

実はこの監査意見、法律上の要請から行われるものですが、その結果次第で上場廃止になります。証券取引所上場廃止基準にこんな一文が入ってます。

 b.監査報告書又は四半期レビュー報告書に「不適正意見」又は「意見の表明をしない」旨等が記載された場合であって、直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかであると当取引所が認めるとき

 

www.jpx.co.jp

 

つまり、監査意見の不適正意見や意見不表明は、上場会社の一発レッドカードなんです。

 

上場廃止になれば、会社は潰れると思われ、取引が止まり、融資も引き上げ、結果的に会社が潰れたり、売却されたりするでしょう。だから、不適正意見や意見不表明が出ることはまずありません。そんな意見を出して責任を負うくらいなら、監査法人は退任するでしょう。

 

東芝の場合はどれか?

東芝の会計監査を担当するPwcあらた監査法人は、監査意見を不表明としたようです。アメリカの原発プラント会社ウエスチングハウスの監査で、調査範囲の折り合いがつかず、適正か、不適正かを言えるほど証拠が集まらなかったようです。

これにより東芝の上場維持は証券取引所に委ねられることになりました。

 

東芝 四半期レビュー報告書の結果不表明について

https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20170411_1.pd

 

 これから想定されるシナリオは以下があります

・監査人を交代する。監査法人トーマツはアドバイザリー関与や、調査委員会関連で関わりが深いため、おそらくあずさ監査法人。監査報酬をふっかけられるかも。

あらた監査法人に監査意見を表明してもらう為、監査意見不表明の根拠になっているウエスチングハウスによるストーンアンドウェブスター買収時ののれん評価、減損処理についてあらた監査法人の言うことを聞いて調査に応じる。

→もし、2016年3月期に計上すべき損失があり、過去から債務超過だったとなると二期連続債務超過上場廃止。おそらく借入金の契約にも抵触。

・このまましばらくやり過ごす。

東証上場廃止を宣告するかも

 

いずれにしても、東芝はさらに苦境に立たされています。

 

※本記事は公表情報を元に、ヒガシが個人的見解として記載をしております。記事の正確性や、根拠となる法令の解釈や適用に誤りがある可能性があります。