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ヒガシの日記

公認会計士コンサルタントの思考の備忘録

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GEの税務メンバーがPwcに移籍するのはなぜか?

こんにちはヒガシです。四大会計監査ファームであるPwcが世界的重工メーカーであるGEより、コーポレート税務専門家を600名以上受け入れることを発表しました。世界的メーカーであるGE、なぜ税務専門家チームを手放したのでしょうか?

 

www.pwc.com

 

外部化する理由

GEはエジソンの創業した会社を源流に持つ会社で、航空機エンジン、発電機器設備、医療機器、鉄道、化学、石油プラント機器まで幅広く手がけています。グローバルカンパニーであるGEでは様々な税務論点がありそうです。また、だからこそ内部にこれだけの規模の税務専門家チームを抱えていたのでしょう。

この原因は3つあるとみています。一つはトランプ政権の誕生、もう一つは課税逃れの規制、最後の一つは本業回帰です。

トランプ政権はご存知の通り、アメリカ第一主義を掲げており、今後は国境税や国際課税を強めていくことが想定されます。またIoTや工場の自動化技術が発達すれば、アメリカ国内でコスト競争力が確保できそうです。

もう一つは国際課税における税金逃れの規制強化がOECDから2015年に公表され、徐々にその批准国も増えているのではないかということです。タックスヘイブンを利用したような課税逃れはだんだんとできない環境になっています。

これら二つは、税務検討の機会減少につながり、専門家を内部に抱える必要性を減らします。

最後の一つは本業回帰です。GEは、グループ傘下の金融子会社であったGEキャピタルを2015年に売却しました。また、過去にグループSSCを分離し、GENPACTというBPOベンダーとして独立しました。これからのテクノロジー進化に製造業のトップとして走り続けるには、自分たちでしかできないところにリソースシフトしていく選択を行わなくてはいけないという強い経営意思を感じますし、今回の件もその一環では無いかと思うのです。

 

双方にメリットがありそうな取引

ただこの取引双方にメリットがありそうです。まずGE についてですが、おそらく人材の所属はPwcに移るものの、外注の形で今まで通りと同じ仕事をしてくれるでしょう。それにより、人件費を変動費化することも可能です。かりに税制が変わり余剰人員が発生しても、それはPwcが持つので操業度差異が発生しないことになります。つまり、何が起きても対応可能な体制を残しつつ、いつでもその契約を切れるようになったわけです。

Pwcにとっても、GEでコーポレートタックスを第一線でやっていたメンバー、会計士や弁護士をチームハイヤリングできます。質、量共にこれだけのチームが手に入ることは今後もないでしょう。GEにとっては活躍の場がなくとも、Pwcであれば様々な企業が税務検討を依頼するでしょう。

 

まとめ

この取引、最初は驚き、次にその構成になるほどと思い、最後に双方のしたたかさを感じました。WinWinとはまさにこのことを言うのだなと。グローバルカンパニーと会計監査ファームの取引から、時代のダイナミズムを感じた一件でした。

 

では今日はこの辺で。